【おむつの不思議】どうしておしっこが漏れないの?

医薬品

おむつの吸水の仕組みについて、科学的に調べてみました。

吸水の素材

おむつには、吸収剤として高分子吸水剤の「高吸水性ポリマー(SAP)」が使われています。

SAPは毛糸がぐちゃぐちゃした構造となっており、それがほぐれてできたスペースに水を取り込むことができるため、高い吸水性を発揮します。

高吸水性ポリマー(SAP)の構造

水を吸収する前は、毛糸がぐちゃぐちゃになったような構造をしています。

一方で、水と触れると、あみあみの構造が広がり、水をその中に取り込むことができるようになります。

なぜこのようなことができるかというと、浸透圧と電子的反発がうまく作用しているからです。

高吸水性ポリマー(SAP)の仕組み

SAPには水を多く吸着するために、2つの大きな工夫があります。

その工夫は、あみあみの構造の中に、ーCOOHとーCOONaがたくさん存在している構造にあります。

浸透圧で水を取り込む

SAPに水(尿)が触れると、まずーCOONaのNaが分離します。

するとNa+イオンが増えて、濃度が高くなります。

それを薄めるために、水がSAPの中にどんどん入り込みます。

このように、浸透圧をうまく利用して水を取り込んでいるそうです。

電気的反発を利用し、水を取り込む

Na+イオンが分離した後、残ってるのはーCOO- です。

ーCOO-は、見ての通りマイナスの電荷を持っています。

たくさんのーCOO -が存在しているため、マイナスの電荷同士で反発し合い、毛糸のような構造がほぐれ、より水が入れるようなスペースを作り出されます。

ニオイも抑えられる

尿のニオイの原因の一つは、尿中に含まれるアンモニアです。

アンモニアは塩基性であり、SAP中のーCOOH(酸性)と中和することで塩となり、匂いがしなくなるそうです。

しかも、水と一緒にSAP中に取り込まれたままとなります。すごいですね。

まとめ

おむつの吸水性の秘密は、SAPという物質にある。

SAPは水に触れると、あみあみ構造を広げ、浸透圧を利用して水を吸着する。

ニオイの原因の一つ「アンモニア」を中和することができる。

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