簿記ではほとんど出ませんが、全経上級ではたまに出る所です。
ポイントを押さえれば忘れないので、この際覚えておきましょう。
★ポイント★
- 発注にかかる費用とは?
- 購入後、在庫となった商品の保管費用とは?
- これらを最小にするためにはどうすれば良いか?
経済的発注量という論点
発注に関する費用を出来るだけ少なくするにはどうすれば良いか?
それが経済的発注量の論点です。
①発注回数を減らして、輸送費などを減らす
ただし、発注回数を減らしすぎると、1回購入量が増えて、在庫が置けなくなったり保管費用がかかるなどの問題点が…
②在庫を減らして、保管費を減らす
ただし、在庫を減らしすぎると、発注回数が増えて、輸送費などの発注費用がかかるなどの問題点が…
①を減らせば②が増え、②を減らせば①が増えるというトレードオフの関係なので、それらを最小にするにはどうすれば良いか考えてみます。
年間発注費用
「1回当たりの発注費用×発注回数」で求めます。
1回当たりの発注費用は与えられることが多いので、年間発注費用は発注回数に依存することになります。
よって、1回の発注量をQとおき、発注回数を「年間必要量/Q」で表すことで、年間発注費用を「年間必要量/Q ×1回当たりの発注費用」とする。
★なぜ発注回数ではなく1回の発注量をQとするか?
→発注量=在庫量なので、保管費用でも在庫量Qとして、同じ文字Qとおくことができるから。
年間在庫維持費用
在庫に対する保険料や在庫に対する資本コストのことです。
★資本コスト…もし在庫せずに他に投資していたら得られたであろう利益を、在庫の費用として考える
在庫量をQとおき、平均在庫量をQ/2と表します(発注量=在庫量なので、Qとおける)
★在庫Qは徐々に無くなり0になると考え、平均してQ/2とする
これに1個当たりの年間保管費用を掛けて、年間在庫維持費用を「Q/2 ×1個当たりの年間保管費用」とする。
経済的発注量を求める
先程求めた、
年間発注費用「年間必要量/Q ×1回当たりの発注費用」
年間在庫維持費用「Q/2 ×1個当たりの年間保管費用」
これらが同じとき、その合計である経済的発注量が最小になります。
あとは計算してQを求めればOKです。
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