減価償却には、個々の有形固形資産ごとに減価償却を行う「個別償却」と、有形固形資産をまとめて償却する「総合償却」がある。
試験ではほとんど個別償却だが、総合償却の計算方法も理解しておきたい。
総合償却の減価償却費
個々の有形固形資産を1つの大きな資産と考えて、まとめて償却してしまうのが総合償却。
そのためには、有形固形資産の合計値、有形固形資産の残存価額の合計値、年償却額の合計値を計算することになる。
A 取得原価200万円 残存価額10% 要償却額180万円 耐用年数4年 年償却額45万円
B 取得原価100万円 残存価額10% 要償却額90万円 耐用年数9年 年償却額10万円
C 取得原価180万円 残存価額0% 要償却額180万円 耐用年数5年 年償却額36万円
(個別償却だと、減価償却費45+10+36=91万円で終わり)
総合償却だと、まず平均耐用年数を求める必要がある。
A+B+Cという大きな塊でみると、
取得原価480万円 要償却額450万円 年償却額91万円
すなわち、平均耐用年数は450÷91≒4.9年となる。
よって、減価償却費は、450÷4.9≒91.8万円となる ⇦個別償却の値(91万円)とは異なる!
毎年の減価償却
減価償却費91.8万円 / 減価償却累計額91.8万円
総合償却における資産除却
4年後、Aを除却するときは、
まず減価償却をおこなう
減価償却費91.8万円 / 減価償却累計額91.8万円
その後、Aの要償却額全額を取り崩す
減価償却累計額180万円 / A200万円
貯蔵品20万円
平均耐用年数4.9年なので、Aを4年で除却したときは除却損が発生しそうだが、個々の未償却残高がわからないので、除却損は認識せず、全額書くしかない。
まとめ
①個々の要償却額の合計と年償却額の合計から、平均耐用年数を求める
②要償却額÷平均耐用年数の計算によって、減価償却費を求める
③平均耐用年数より早く除却した場合でも、個々の未償却残高はわからないので、除却損は発生しない
④残存価額は貯蔵品勘定に振り替える
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