編集手帳から学ぶ 第4回

読売新聞の1面コラム「編集手帳」。

「編集手帳」の文章の組み立て方を、段落ごとに区切って見て学びます。

途中の段落を空欄にしているので、クイズっぽく考えてみましょう。

ついでに時事ネタ・雑学も身につくはず。

2024.3.14 編集手帳

全5段落紹介

◆1 物理学者の寺田寅彦の著書「科学者とあたま」より引用。”けがを恐れる人は大工にはなれない。失敗をこわがる人は科学者にはなれない”

◆2 ・・・

◆3 ・・・

◆4 ・・・

◆5 カイロスの未来に、科学の力を平和的に使うという”殿堂”あるいは”花園”が待っている。成功が待ち遠しい…。

(◆1→◆5まで、どのように話をつなぐか、考えてみます)

(この日は、カイロスというロケットの打ち上げが失敗したことに関連した内容ですね。

第5段落の”殿堂”あるいは”花園”が何を指しているのか気になります)

◆1 要点

 ”けがを恐れる人は大工にはなれない。失敗をこわがる人は科学者にはなれない”と引用しています。

◆2 要点

さらに引用しています。

”科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた花園である”

小型ロケット「カイロス」の打ち上げ失敗からこの言葉を思い出した、と引用の理由を述べています。

◆3 要点

当日の打ち上げ状況の説明をしています。

発射から5秒後に爆発しました。

◆4 要点

寺田寅彦の言葉を借りれば、このような失敗がなければ成功にたどりつけないということなのでしょう。

◆5 要点

ロケットといえば戦争も思い浮かべる、と述べています。

→しかし、そのようなことを死骸の山・血の川(失敗)として、”殿堂”あるいは”花園”(成功)を築いてほしいということを伝えています。

まとめ 

◆1 物理学者の寺田寅彦の著書「科学者とあたま」より引用。”けがを恐れる人は大工にはなれない。失敗をこわがる人は科学者にはなれない”。

◆2 さらに引用。”科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた花園である”。小型ロケット「カイロス」の打ち上げ失敗で、この言葉を思い出した。

◆3 カイロスは発射から5秒後に爆発した。

◆4 このような失敗がなければ成功にたどりつけないということなのだろう、と感じている。

◆5 「ロケット=戦争」というイメージがあるが、これを失敗と捉え、平和的に使うという”殿堂”あるいは”花園”がカイロスには待っている。

と締めています。

時事ネタ/考察

・「スペースワン」による小型ロケット「カイロス」の打ち上げがあったが、発射5秒後に爆発した。搭載した人工衛星も軌道に乗せられなかった。爆発は自発的なものだったそう(宇宙に行けないと判断された時点で爆発するようだった)。

「ロケット打ち上げ失敗は残念だが、こういった失敗を積み重ねていつの日か成功して欲しい」

そういった考えは誰しも持っていると思いますが、それを物理学者の寺田寅彦の著書から引用して、話の導入しています。

誰だよ…と思ってしまいましたが、そういう引き出しを持っているのがすごいです。

今回の編集手帳では、「失敗」という言葉に、「打ち上げ失敗」だけではなく、「戦争という誤った方向に使ってしまっている失敗」という意味を含ませているようです。(これを思いつくのもすごい)

打ち上げ成功、そして、悲しい使われ方がされないという成功に向かっていってほしいですね。

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